2017年配当金に関する税金の知識と確定申告
株式を保有していると会社から配当金を受け取ることができます。私は、いつかその配当金による収入のみで生活する事を目標に現在、株式投資をしています。そして、株式の配当金にはどんなに嫌だとだだをこねても税金がかかります。今回は株式の配当に関する税金についてまとめます。
まず前提として、株式の売買を行うには証券会社で取引口座を作る必要があります。そして取引口座には3種類あり口座を作る時にどの種類の口座にするか自分で選びます。
3種類とは「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3種類の口座です。これは株式を売却した時の利益の計算や利益に対する税金の引き方の違いにより3種類あるのですが、株式の配当の場合に限って言うと、どの種類の口座にしていても受取る配当金の額に対して20.315%の税金が差引かれて振り込まれます。これを源泉徴収といいます。
基本的には源泉徴収されているので配当金に関して税金を自分で確定申告して納める必要はなく、「税金めんどうくさい、なんもしたくねー」という人は何もしなくてもよいようになっています。ただ、自分で確定申告を改めてした方が税金が安くなる場合もあります。
株式の配当金について確定申告を行う場合の申告方法の種類は下記の2種類があります。
・総合課税
総合課税とは、配当金で得た所得と他の所得(サラリーマンの給与など)とを合算した上で税金を計算する方法です。この方法を選ぶと配当控除という制度が受けられます。
申告分離課税とは、配当金で得た所得と他の所得(サラリーマンの給与など)とを合算しないで別々に税金を計算する方法です。この方法を選ぶと株や投資信託の売却損と損益通算ができるようになります。
1.総合課税
【総合課税を選ぶと得な人は】
・配当を含めた課税所得が695万円以下の人
・配偶者控除などの適用を受けている人で、配当以外に所得がなく(専業主婦など)、株の利益や配当所得などの合計が38万円以下の人
1-1. 配当を含めた課税所得が695万円以下の人
課税所得というのは収入とは違い、収入から各種控除を引いたあとの金額のことですのでご留意ください。なぜ695万円かというと、累進課税といって課税所得が多い人ほど税率が上がる仕組みなのですが695万円を超えると税率が上がってお得じゃなくなる境目だからです。
どのくらいお得になるのかということですがざっくりいうと配当金分の収入に関して確定申告をしない場合の税率が20.315%に対し確定申告をすると17.515%になり2.8%ほど税額がお得になります。配当金の収入が100万円あったとしたら約3万円くらい税金がお得になるということです。
具体例を出して計算してみます。
例:インテリサラリーマンA太郎(独身)
年間給与 800万円(額面)
年間の株の配当金 100万円(源泉徴収前)
計 900万円
課税所得とは収入から様々な控除を引いた後の金額なのですが控除は各々の状況によりことなるためここでは概算計算しています。
A.配当金について確定申告しない場合
【給与の分の税金の計算】
年間給与 900万円
給与所得控除 △210万円
社会保険料控除 △115万円
基礎控除 △38万円(△33万円※1)
①課税所得 537万円(542万円※1)
※1住民税の計算の場合
所得税 537万円×20%(税率)=約107万円
住民税 542万円×10%(税率)=約54万円
【配当金の分の税金】
100万円×20.315%(所得税・住民税)=約20万円(源泉徴収済み)
【確定申告しない場合の税金の合計】
107万円+54万円+20万円=181万円
B.総合課税によって確定申告した場合
=637万円
・637万円×20%(税率)
=約127万円(税額)
・100万円(配当金)×10%(控除率)
=10万円(配当控除)
・127万円(税額)-10万円(配当控除)
=約117万円
住民税 ・542万円(上記①)+100万円(配当金)
=642万円
・642万円×10%(税率)
=約64万円(税額)
・100万円(配当金)×2.8%(控除率)
=約3万円
・64万円(税額)-3万円(配当控除)
=約61万円
【確定申告した場合の税金の合計】
税金計 117万円+61万円=178万円
【節税額】
181万円-178万円=3万円
という訳で約3万円ほど確定申告することでお得になります。
1-2.配当控除の注意点
・配当控除の対象とならない有価証券がある
(例:J-REIT、外国株式)
・投資信託は株式の組入率などによって控除率が変わってくるので計算がややこしい
純粋に日本の個別株式のみに投資している方はあまり気にしないで使えると思います。